衝撃で車は屋根の部分がポコッとへこんでしまい、打球を目で追っていた大谷も“事故”に気づくと、車に向かってヘルメットを脱ぎ、申し訳なさそうに頭を下げた。

 もっとも、車の持ち主の男性ファンは、愛車に“球界の至宝”の痕跡が残ったことを「ラッキーです」と喜んでいた。今も修理をせずに保有していれば、何倍もの付加価値がつくところだろう。

 さらに大谷は、6月11日のイースタン、DeNA戦の試合前のフリー打撃でも、鎌ヶ谷スタジアムの大型ビジョンを直撃するスーパー打球を放ち、LEDのパネルを破損。一部が点灯しなくなったため、直後の試合は、壊れた状態のまま行われた。

 アメリカでも今回紹介したエピソードが霞んでしまうくらいの“スーパーマン伝説”の数々を打ち立ててほしいものだ。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2019」(野球文明叢書)。

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