思い切って、手で自分の肛門を拭きました。自分の手で触る初めての肛門。ウォシュレットで綺麗に洗浄されていて、なんか感動してしまいました。
そして、パンツとズボンを半分上げて、隣のトイレに移動。頭の中では勝手にミッションインポッシブルの音が流れます。隣に移動成功。すると、トイレットペーパーがあったー!なんとか無事に自分のお尻を拭いて、手を綺麗に洗って、終わりました。
トイレ出てきて映画鑑賞。映画鑑賞終わりに、妻にトイレで起きたことを伝えました。ちなみに妻はウォシュレットを使いたくない派。そんな妻が僕が自分の手で肛門を拭いた話をふくと「いやだ~~~、汚い~~~」と。まさかの反応。が、そのあとに「私も同じ経験あるよ」と。しかも、トイレで紙がないというだけではなく、トイレに入りトイレットペーパーがなく、隣のトイレに移動したことがあるというのだ。
その時妻は「パンツを半分上げて、ダッシュで走るんだよ」と。僕が「でも、ウォシュレットも使わずに、パンツにうんこついたらどうすんの?」と聞くと、妻が「意外と、うんこ、つかないんだよ」と。二人で議論していると、5歳の息子が「きったねーーー」と言って笑ってました。
なんかね、最近は家の中ばっかりだけど、外に出て、映画見て、その帰りに、しょーもなさすぎる話をして家族3人で笑ってる。
こういう話を、いろんな場所に遊びに行って笑って話せる日が早く来ますように。もうちょいだと信じます。
■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。バブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」の原作を担当し、毎週金曜に自身のインスタグラムで公開中。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中