倉持医師によると、減酒外来はまだ始まったばかりで、「減酒継続を治療のゴールとしていい」と捉える専門医もいれば「あくまで断酒に至るまでの暫定目標」と考える専門医もいて、どちらが正しいかは現時点では分かっていないのだという。筆者もその中で歩み始めたということだが、現実的に、一滴も飲まない自分は想像つかない、というか無理だと思う。



 ただ、あの酒量を続けていれば、いつかどん底まで落ちたかもしれない。

 思い切って減酒外来に行ってみた感想は、いまの自分を客観視できた気がすること。薬に頼れる安心感ができたということ。何かを変える、一つのきっかけができたということは実感している。

 それから、医療機関の敷居は思っていたよりはるかに低かったということ。倉持医師も「お酒の量が気になる人は、まずは気軽に外来に来てください」と言っていた。

 長い付き合いになるだろう。また、継続して記事を書いてみたい。

(AERA dot. 編集部・國府田英之)

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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