前半戦がもうすぐ終了する今季のペナントレース。今年はオールスターブレイクだけではなく、東京オリンピックの影響もあって例年以上に長い中断を挟むことになるが、12球団各チームで前半戦に最も貢献度の高かった選手を選定してみたいと思う。今回はパ・リーグ編だ。※文中の成績は全て7月11日終了時点
* * *
■オリックス:吉田正尚
●成績
85試合 打率.344 17本塁打 54打点 出塁率.433 盗塁0
投手ではエースの山本由伸、2年目で大ブレイクした宮城大弥、野手では一躍4番となった杉本裕太郎などの活躍が目立つが、1人を選ぶとなればやはり吉田になるだろう。主要な打撃成績で軒並み上位にランクインしており、打撃の安定感はもはや両リーグトップとも言える存在となっている。昨年は少しホームラン数の減少が気になったが、今年は高い打率と少ない三振数をキープしながら再び長打も増やしている。チャンスでの勝負強さも見事だ。吉田という打線の太い柱がいなければ、杉本がここまでブレイクすることもなかっただろう。東京オリンピックでも中心選手として期待される。
■ロッテ:中村奨吾
●成績
81試合 打率.310 6本塁打 49打点 出塁率.408 盗塁6
マーティン、レアードの外国人野手2人が目立つことが多いが、総合的に見た貢献度の高さから中村を選んだ。開幕は6番スタートだったが、3戦目以降は3番に定着すると安定したバッティングで打率3割以上をマーク。ホームランこそ少ないものの、状況に応じたバッティングでチャンスを広げ、打点もキャリアハイを大きく上回るペースで稼いでいる。セカンドの守備でも派手さはないものの堅実さが光り、攻守にわたってチームを牽引する存在と言えるだろう。
■楽天:松井裕樹
●成績
39試合 0勝2敗0ホールド22セーブ 防御率0.69 53奪三振
首位を争う他の3球団と比べて得点力が低く、得失点差もわずかにプラスという状況でこの位置につけることができているのはやはり抑えに復帰した松井の存在が大きい。コントロールは少し不安定で走者を出す場面もあるが、高い奪三振率(12.23)が示しているように、自分で招いたピンチは自分でしっかりと抑えきることができている。最多セーブを争っている益田直也(ロッテ)と比べてもその安定感は明らかに上であり、2年ぶりのタイトル獲得も十分に期待できそうだ。