YouTubeでバズり、有名になった長編動画「ザ・エレクトリカルパレーズ」はニューヨークの真骨頂だ。彼らの後輩芸人がデビュー当時、ザ・エレクトリカルパレーズという謎のチーム名でグループを組み、Tシャツやテーマソングまで作成していたといううわさを聞きつけ、その調査を開始。恥ずかしさのあまり逃げたりごまかしたりする後輩たちの模様をYouTube内で2時間強の映画として公開し、155万回再生を記録した。後輩たちの若気の至りすら許さない、ふたりの底意地の悪さが彼らの魅力でもあり、笑いのベースでもある。

■芸人としては優等生タイプ

 民放バラエティー番組のディレクターはニューヨークをこう評価する。

「レギュラー番組はまだ“小粒”なものが多いので、この1年で彼らの芸のなかで何が淘汰され、どんな笑いが残るのか注目しています。屋敷は芸人になる前にバラエティーの制作会社でADをしていたため、テレビ界の表も裏もそれなりに知っている。なので、バラエティーに出ている彼を見ていると『妙に落ち着いているな』といつも思うんですが、それだと彼らの持ち味である“底意地の悪さ”は全然見えてこない。今こそ、もっと仕掛けていくべきだと思いますね。

 とはいえ、有吉さんのような毒舌でいっても勝ち目はない。また、千鳥やかまいたちほどの爆発力もない。そこは、ボケの嶋佐がテレビの尺で爆発力のある笑いをコンスタントに取り続ける必要がある。準レギュラーで出演している『アッコにおまかせ』の悪口を言ったりするのが彼らの得意技なので、今後も底意地の悪さを伸ばしていければ、テレビ界でも十分やっていけると思います。本人たちは早く賞レースから抜け出したいでしょうが、このタイミングでM-1やキングオブコントで優勝できれば、彼らの立場はより盤石なものになるでしょう」

 お笑い評論家のラリー遠田氏はニューヨークについてこう見ている。

「ニューヨークは若手の頃から芸人に必要な能力を一通り備えている優等生タイプの芸人でした。しかし、他人のダサさを指摘するような底意地の悪いネタを売りにしていたため、お笑い好きの間で評価は高かったものの、世間一般からはなかなか支持を得られませんでした。それでも、ネタのクオリティーが年々上がっていったことでM-1やキングオブコントでも決勝進出を果たし、ようやく日の目を見ることができました。

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MC力がテレビで大きな武器に