お笑いコンビ・ニューヨーク。左から嶋佐和也と屋敷裕政。(C)朝日新聞社
お笑いコンビ・ニューヨーク。左から嶋佐和也と屋敷裕政。(C)朝日新聞社
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 今や飛ぶ鳥を落とす勢いのお笑いコンビ・ニューヨーク。山梨県出身の嶋佐和也(35)と三重県出身の屋敷裕政(35)による芸歴11年目のコンビだが、この春からレギュラー番組が5本も増え、満を持しての大ブレークとなった。

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 ほぼ毎日更新中のYouTubeチャンネルの登録者数は24万人を超え、レギュラー以外でもさまざまな番組で頻繁に見かけるようになった。なぜ、彼らがいまブレークしているのか。放送作家はこう明かす。

「これまでは、『吉本がゴリ押ししてくる売れてない若手タレント』のイメージだったけど、ここ数年で漫才のネタが急激に面白くなった。前回のM-1で披露した軽犯罪ネタや、キングオブコントの決勝でもあえてヤクザのネタをやって違いを見せつけるなど、さすがとしか言いようがない。

 また、第7世代ブームが来たときは、後輩である彼らに率先して絡み倒し、『俺らも第7世代に入れてくれ!』というスタイルで笑いを取り、数々の番組に呼ばれるようになったのも大きい。普通の芸人なら、照れもあってなかなかうまく後輩たちのブームに乗っかることができない。もちろんプロレス的な絡みなのですが、それが一番うまかったかまいたちで、次にうまかったニューヨークだった。売れるのも時間の問題だと、スタッフの間ではずっと言われていました」

 3月には主戦場としていた劇場「ヨシモト∞ホール」を卒業。完全にテレビ界へとシフトし、売れっ子芸人の仲間入りを果たした。

「ニューヨークがヨシモト∞ホール出身のスターとして売れると劇場に箔(はく)が付くので、吉本の猛プッシュは今でも相当なもの。実際、同ホールで切磋琢磨してきた芸人や同期・鬼越トマホークも露出を増やしてきたため、テレビでもいい絡みができています。やっぱり劇場を回していた芸人は場数が違うのでテレビに出ても強い。かまいたちも大阪の劇場を長らくトップで回していましたし、劇場仲間の芸人と絡むと本当に面白い。そういった意味でも、ニューヨークはまだまだ伸びしろがあると思います」(同)

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「底意地の悪さ」を伸びしていくべき