特にOA枠の3人の存在感が絶大。それぞれが強さと老獪さを見せ、常に冷静に相手の攻撃を跳ね返し続けることで、チームに大きな安心感を与えていた。その他の面々も海外組は守り慣れており、中山、板倉の2人はオランダでの経験を生かして強度の高い守りを披露。さらに攻撃のキーマン2人、久保と堂安も、レンタル先だったヘタフェとビーレフェルトはともに残留争いをした中位以下のチームであり、「守備から」という戦法は日常的。その中での戦い方を彼らはこれまでのキャリアの中で身につけていた。ここに挙げた「守備の安定感」、「鉄壁のDFライン」、「守り慣れ」という項目は、これまでの国試大会における日本代表には持ち得なかった特徴であり、初めて持つ“武器”であると言える。

 直近の課題は、次戦・フランス戦の戦い方である。日本は引き分け以上で1位通過。負けた場合、メキシコが南アフリカに勝利すると勝点6で3チームが並ぶが、日本は1点差以内の敗戦ならば2位で決勝トーナメント進出となる。非常に有利な状況ではあるが、フランス相手に油断は禁物。格落ちのメンバー構成となったとはいえ、南アフリカに4対3、3度追いついて後半終了間際の劇的ゴールで勝利した勢いは要警戒だ。だが、決勝トーナメント以降の戦いを見据えた場合、グループリーグ第3戦の「休養」、「メンバー変更」は必須。特に中2日という超過密日程のスケジュールの五輪においては尚更だ。

 過去の五輪大会を振り返ると、日本は2000年のシドニー大会、2012年のロンドン大会と2度、グループリーグで2連勝を飾っている。「黄金時代」が顔を揃えたシドニーでは、第3戦のブラジル戦に累積警告で出場停止だった中田英寿と森岡隆三を除いてはメンバーを落とさずに挑んで0対1の敗戦。2位通過となり、決勝トーナメント1回戦でアメリカに2対2からのPK戦で敗れた。一方、ロンドンでは第2戦から先発5人を入れ替えて第3戦のホンジュラス戦に挑み、0対0の引き分けで首位通過。決勝トーナメント1回戦でエジプトに3対0快勝した後、準決勝でメキシコ、3位決定戦で韓国に敗れてメダルは逃した。今回、決勝トーナメント1回戦の相手となるグループBは、勝点3で4チームが並ぶ大混戦のため、「相手を選ぶ」ことは不可能。単純に「勝利」を、そして冷静に「引き分け以上」を目指すべきだろう。

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第3戦はメンバー構成はどうするべき?