前半、先制点を決めた久保建英(奥)は、堂安律に祝福される(c)朝日新聞社
前半、先制点を決めた久保建英(奥)は、堂安律に祝福される(c)朝日新聞社
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 最初に攻勢に出たのはメキシコだった。キックオフから巧みなパスワークを見せ、相手にボールを触らせないまま左サイドを突破して“あわや”のシーンを作った。だが、日本が電光石火の反撃を見せる。6分、右サイドを抜け出した堂安律が、ペナルティエリア脇からマイナスのクロスを入れると、中央のスペースに猛然と走り込んだ久保建英が左足で合わせて先制ゴール。さらに11分、相馬勇紀へのアフタータックルがVARの末にPK判定となり、堂安が豪快にゴール中央に蹴り込んだ。

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 早々に手にした2対0のスコア。相手は、22人中18人がA代表経験者、国内で“史上最強”と謳われ、グループリーグ初戦でフランスを4対1で一蹴したメキシコ。相手との力関係に加え、これまで日本代表の「攻めあぐね」、「決定力不足」を何度も目の当たりにしてきた日本人にとっても、よもやの展開となったと言える。だが、ピッチ上の選手たちは落ち着き払った戦いを展開し、68分には裏に抜け出した堂安をファウルで止めたメキシコDFバスケスが一発退場。数的有利となった中、86分にFKから1点を返された日本だったが、その後のピンチをGK谷晃生が鋭い反応で脱し、2対1のままゲーム終了。組み合わせ抽選直後に“死の組”と言われたグループAで2連勝を飾り、自分たちの強さ、実力の高さを証明した上で、決勝トーナメント進出に王手をかけた。

 この日の「ヒーロー」は、2戦連発の久保だ。だが、この日の「強さ」は、攻撃よりも守備にあった。FW林大地が懸命に動き回り、2列目の3選手も集中力を切らさずにプレスバック。そして“デュエルキング”遠藤航が中盤の底で強度を見せ、終了間際にFKから1点は失った以外は、酒井宏樹、吉田麻也、板倉滉、中山雄太のDFラインは鉄壁を誇り、最終的にボール支配率はメキシコ60%、日本40%という中でボールを保持され、押し込まれた時間帯も長かったが、選手たちに焦りの色はなく、ヒヤリとしたシーンも少なかった。

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