50代以降の人生で特に大事なのが人間関係だ。仕事以外で、どんなつながりを持つかがカギになる。「50歳からの戦略」特集したAERA 2021年8月2日号の記事を紹介。
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「今後は自分が暮らす地域コミュニティーの中でも友達ができればいいなと思っています」
千葉県に住む会社員の女性(51)は昨年、町内会の役員を務めた。いつもは仕事で日中は地域の中にいない。町内会には、職業も年齢も幅広く、多様な経験をしてきた人が多くいることに気づき、新鮮な驚きだった。
「彼らとつながることで、自分の普段の生活も楽しくなるし、刺激ももらえるのではと考えるようになったんです」
企業研修などを展開するエマメイコーポレーション代表取締役の大塚寿さん(59)は、会社という居場所だけではなく、「異質な人とのコミュニティーに飛び込むこと」が、50歳以降の人生を豊かにすると指摘する。
「いろんな居場所をできれば五つほど、確保するのが理想です。手始めとしてマンションの理事などを引き受けてみるのもいい。ただし、合う合わないはありますから、『入るのも、出るのも気軽に』がポイントです」
その際、一つはあえて「アウェー」な場所を選びたいという。
「『普通なら俺、こんなところに絶対いないよ』というコミュニティーにも飛び込んでみる。私は地域の消防団に入っていたことがありますが、会社員をしていたら絶対に周りにいないような職人気質の人たちで、話す内容も新鮮。見えていなかった世界に触れられた気がしました」
ただ、その際に注意すべきは「名刺に頼らないこと」だ。
「会社人間から脱却していくためにも、仕事相手以外の人に、『自分はどういう人間なのか』を名刺なしで語れるようにしておくことが大事です」
家族との関係も大事だ。大塚さんによると、あるアンケートで40代、50代の男性会社員の約25%が、「妻や子どもとうまくコミュニケーションが取れない」と回答したという。