■親と一対一にならない
大美賀さんは言う。
「親と関わる中で、自分の人生に親が与えた影響や、そのことで自分が苦労したこと、自分と似ている嫌な面などを、鏡のように見せられて苦しい。そんな声はとても多いです。離れて暮らしている人は、自分の中で勝手に膨らんでいた親の理想像が、年老いた親の現実を見たときに崩れ、そのギャップで苦しむこともあります」
親の介護も現実のものになる。ほとんどの50代が避けて通れない道だ。前出の大塚さんは、「介護は一人でがんばらず、親と一対一にならない」ことが大事だと指摘する。
「自分の親なんだから、自分が何とかする。そう思えば思うほど、最後は親が憎くなってしまう。公共機関や民間のサービスをフルに利用し、ケアマネジャーやヘルパーとの関係を構築していく。それが大切です」
(編集部・小長光哲郎)
※AERA 2021年8月2日号より抜粋