「飲料水を提供していることが、公職選挙法の寄付にあたるかどうか。政治家が自分の選挙区に寄付したらまずいが、日本維新の会は政党です。飲料水のお金を誰が出しているかが重要。また、日本維新の会が飲料水を提供していることで、選挙の事前運動になっていないかというポイントもありますね。衆院選では比例代表の投票は、大阪市なら近畿ブロックとなります。日本維新の会から出馬する候補者もいるでしょう。政党の名前を貼りだして寄附というのは、誤解を招きかねない。いかがなものかと思いますね」
一方。大阪市にも見解を聞いてみた。
「暑い季節に医療関係者に何か飲み物を提供できないかと、松井市長から事務方に話がありました。しかし、税金から支出をするのは難しいという判断になりました。そこで日本維新の会からご寄付として提供を頂けることになりました。お茶、水、スポーツドリンク、コーヒーなどがあります。一時期、お菓子もありました。非常に好評でした。公職選挙法の寄附行為に該当するということは特段、検討したことはございません」
日本維新の会にも見解を尋ねると、こう回答した。
「身を切る改革として寄附先を探していたところ、大規模接種会場にて好意で来ていただいたボランティアの皆様に何も無いと伺ったので飲料の提供を始めた。原資は、日本維新の会の国会議員団の身を切る改革(ボーナスの3割相当)からあてている。これまでも各地の罹災した都道府県や市町村に寄附をしている。コロナ禍においても現金や医療用マスクや手袋などを寄附している。今回もその延長線上です」
公職選挙法に触れないという見解だった。冒頭のAさんはワクチン接種業務に従事していて感じることがあるという。
「ワクチン供給量の問題があるのでしょうが、コロコロと予定がかわること。そのたびに、勤務の日程調整で『この日に出勤してもらえないか』などと言われて、大変です。6月にはじまったときは、1週間で40時間を超えるような業務を求められた人もいます。後日、労働基準監督署からチェックがあるとまずいからと見直されたようです」