イライラしたり、怒って感情的になってしまうことは日常で頻繁にあり、生きていくうえで決して避けられないものです。

 そんなとき、怒りの原因となった相手に対して、こちらの怒りをあらわにすることで、なんとなく自分の中の感情がおさまるのではないかという気がしてしまうものです。しかし、怒りをあらわにする行為がかえって自分の怒りを膨らませてしまうのなら意味がありません。

 すでに起きてしまったことを、時間を巻き戻してなかったことにすることは不可能なわけです。それならば、その感情にいつまでも固執しているのは、時間的にも精神的にも損だと思いませんか?

■怒るようなことがあったら、一呼吸して、少しだけ考えない時間をつくる

 さらに、誰かに愚痴るなど、ほかの人に気持ちを吐き出すことで気を紛らわそうとすることも、結局はその怒りが根本にある行動なわけですから、向き合っているのと似たようなものです。

 これらの行動も、かえって怒りを膨らませているといえるでしょう。

 これは、「怒りを我慢しろ」「自分の中にため込んでおけ」という意味ではありません。

 そうではなく、怒りを何らかの形で発散させようとする前に、一呼吸して、少しだけ怒りについて考えない時間をつくってみてほしいのです。

 たったそれだけで、自分の中の感情は、非常にコントロールしやすいものに変化します。

 怒るようなことがあった後で、冷静でいられる人は、決して多くはないでしょう。
 だからといって、頭に血が上り、感情的になった状態のまま行動しても、ろくなことはありません。「自分にとって」得策ではないのです。

 私は、子どもにカッとなってしまいそうなとき、少しの間目を閉じて、何度か大きく深呼吸をするよう気をつけています。

 日頃から意識して、あえて感情からほんの数分間だけ目をそらし、 気持ちをコントロールする感覚を鍛えてみてはどうでしょうか。

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?