ワクチンの対象年齢は12歳以上。変異株の死者は若年化する傾向にあり、子どもを介して感染する例も指摘されている。そうした不安材料があるためか、中には自主的に休ませるという保護者もいるようだ。

 すでに学校が再開された小学3年の児童の親はいう。

「うちの学校はちょこちょこ感染者が発生しては、その週は休校になったりしつつ、という感じです。以前は1人でも出たら全体が休校になっていましたが、いまは該当する児童がいるクラスだけが学級閉鎖。うちの学校は夏休みの始まりが早く、8月25日から新学期だったのですが、ここまで、どのクラスもコロナは出ていません。ただ、自主休校されている人が、3年生は3名います」(新宿区、小3と小5の母親)

 子どもたちの感染拡大が騒がれる中、“休ませてオンラインでいいのでは?”となるが、自宅での授業に対応できる保護者だけではない。今の時代、共働き家庭が一般的だろう。

「みんなオンライン授業なんて簡単に言うけど、オンラインで授業を1人で受けられる年代の保護者ってみんな在宅勤務なんですかね? うちは小学校3年生ですが、オンラインになってしまったら私は仕事を休まなきゃならないです」(豊島区、小3の母親)

 たとえ、自宅で仕事が可能だとしても、子どもがすぐ近くにいながら、ハードな仕事をこなすのは、なかなかの地獄絵図だ。

「夫婦ともにフリーランスです。自宅でがっつり仕事をしているので、子どもが2人オンライン授業になったら、まず居場所確保がムリ! 同業のフリーランスの人は8月末に感染拡大の休校に備えて、家の片隅に自分で小屋を建てたと言ってました(笑)。ホームセンターで板を買ってきて、冷蔵庫くらいの大きさの居場所を作ったそうです。もちろん子どもの健康、子どもを介しての家族感染は心配ですが、学校は休校にならないで欲しい」(練馬区、小3、小5の母親)

 さらに、オンライン授業にも各自治体の格差があり保護者の悩みのタネとなる。そもそもタブレットが配布されていない自治体も。タブレットは配布されれば授業ができるわけでもない。

「8月31日にオンライン学活があって、配布されたタブレットで担任の先生とクラスの生徒たちの集まりがありました。先生が名前を呼ぶと、呼ばれた児童がマイクをオンにして返事、マイクをオフ、オン・オフ、オン・オフ……で学活がほぼ終了。子どもたちの楽しそうな元気な声が聞こえてきて、それは良かったですが、傍らで様子をうかがっていて、これではオンライン授業には程遠い。新年度の4月からタブレットが配布されていたが、双方向のやりとりがある授業は難しいのだと改めて納得した」(中野区、小4の母親)

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