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緊急事態宣言中に始まった9月の新学期。子どもへの感染の広がりに対し、学校は始業式の延期やオンライン事業など予定更を余儀なくされた。対する子どもたちや保護者も、“一密”でも感染するともいわれる感染力の強い変異株の脅威に翻弄されている。
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8月31日、中野区の小学5年の児童の母親のもとに、学校からの一斉メールが届いた。翌日は始業式。次のようなメールの文面をみて、驚いた。
<本校の児童3名が新型コロナウイルス感染症と診断。そのうち2名の児童は夏休み水泳指導に参加。9月の水泳指導は感染予防を優先し中止>
「“感染者が出てもプール中止だけで学校はアリ!? しかも始業式前日に連絡”って、ちょっと驚いたけど……。水ぼうそうレベルの感染力といわれる変異株が恐れられている中、3名感染者がいてこの対応が果たしてどうなのかとも思いました」
案の定、始業式の日はその児童のクラスは35人中6人が欠席していたという。
いまだ収束がみえない第5波。一足早く夏休み終わった北海道では学校での感染拡大し、学級閉鎖。首都圏でも子どもの感染拡大が懸念されていたが、9月2日に東京都の新型コロナウイルス感染症モニタリング会議が開かれ、10歳未満と10代の新規陽性者の割合は4週間連続して上昇していることが報告された。
都内の夏休み明けの学校の対応は様々で、冒頭の中野区の保護者が話すように前日のメールでお知らせ後、9月からの授業の変更点がプリントで配られたところもあるが、渋谷区は5日まで夏休みを延長し6~11日は分散登校、港区は1~3日が午前授業で4~12日は対面・オンライン授業を選択できる。
刻々と状況に、保護者も不安を隠せない。
「学校内にある学童保育からコロナ感染者が出て、学童が始業式早々に閉鎖。始業式前日の連絡だったので、急きょ祖父母の家に放課後の子どもは預けましたが、ワクチン接種した高齢者の感染もニュースになっていたので心苦しいというか、こんなことしていていいのかと仕事中にも考えてしまいました。明日からはどうしよう……」(中野区、小2の母親)