■千葉で「県民の会」発足

 学校教員需要や採用を研究する兵庫大学高等教育研究センターの山崎博敏教授はこう話す。

「2010年頃から、団塊世代の大量退職にあわせて教員需要が増加しましたが、各自治体は採用を増やしたものの、欠員をすべて正規教員で補充せず、非正規教員で補ってきました。教員の世代交代が進んで若手教員が出産期を迎え、35人学級の実施でさらに教員需要が増えることから、教員の未配置問題はしばらく続くと考えられます」

教員未配置が全国ワーストクラスの千葉県では、今年「教員未配置を考える県民の会」が発足。7月には「教育フォーラム」も開かれた(photo 全教千葉教職員組合提供)
教員未配置が全国ワーストクラスの千葉県では、今年「教員未配置を考える県民の会」が発足。7月には「教育フォーラム」も開かれた(photo 全教千葉教職員組合提供)

 未配置を解消させるには、教員の採用を増やすことが第一の解決策だが、各自治体は将来の少子化に備え、採用を増やすことに及び腰だ。そんな中、千葉県内では今年7月に「教員未配置を考える県民の会」がつくられ、県の責任で改善措置を早急に講じることを求める署名活動も展開。県教育委員会は10月までに行った23年度の小学校の教員採用選考で前年度より136人多い914人に合格を出した。事前に公表していた募集人員は前年度より20人減の620人だったが、方針を転換させた格好だ。県教育委員会の担当者は取材に「来年度の教員の必要数を計算した結果」と説明する。(編集部・深澤友紀)

AERA 2022年11月28日号より抜粋

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