AERA2022年11月28日号より抜粋
AERA2022年11月28日号より抜粋

「文科省の調査は4月1日と5月1日時点だけですが、教員未配置は年度末に向かってより深刻化します。県内の教員未配置数は年々増え、昨年度末は348人と、過去最多になりました。今年度は10月時点で313人となっており、どんどん教員未配置が増えている状況です」

 全教千葉の集計では、昨年度の県内の未配置数は4月に116人だが、年度末には348人と3倍になった。4、5月のみの文科省の調査では、不足実態を正確に把握できたとはいえず、2000人超という教師不足は「氷山の一角」という指摘もある。

 教員未配置が起きると学校現場はどうなるのか。文科省の調査では小学校の学級担任の代替状況として最も多かったのは「主幹教諭・指導教諭・教務主任」で、43.2%だった。

 千葉県内の小学校で教務主任を務める男性教員(40)は、11月半ばから担任も兼務している。教務6年目にして兼務はすでに6回目だ。特に卒業式の準備や次年度の計画策定などが重なる時期には、学校の階段を上る途中に何度か倒れそうになったこともあった、という。

「今は突然発生する未配置に備え、先行して書類などを作って対応しています。でも年度初めからの未配置になると、もう身を守れない。未配置におびえながらの日々がなくなってほしい」

■小2なのに担任5人目

 県内の別の市の小学校で特別支援学級の担任をしている男性教員(41)は昨年度、同校にある支援級3クラスのうち、2クラスの担任がそれぞれ病休と産休に入り、一時期3クラスを1人で担当することになった。

「仕事量が増えるし、子どもたちの特性もさまざまなので3クラスをみるのは大変でした。特別支援学級は1クラスの人数が最大8人なので、まとめてみられましたが、30~40人のクラスをもう一つみて、と言われたら無理だと思う。実際、担任が不在になった校内のクラスは入れ代わり立ち代わり先生が入りますが、ほぼ自習状態でした」

 県内の中学校に勤務する女性教員(44)は言う。

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