自転車のマナーは社会問題になっている。写真はイメージ(C)朝日新聞社
自転車のマナーは社会問題になっている。写真はイメージ(C)朝日新聞社

 2位は長崎県(27パーセント)、3位は差が開き鳥取県(18パーセント)と西日本の自治体が続く。

 一方のワーストは北海道の2パーセント。自転車マナーの悪さが昔から指摘され、過去の大阪市民アンケートでもその傾向が顕著となった大阪府は6パーセントで、千葉、埼玉などと並び38位タイ。「あくまで印象論ですが、確かに大阪は自転車マナーの悪さが以前から問題になっていて、なぜか意識が高まりません」(オージーケーカブトの広報担当者)

 東京は10パーセント。福島や宮城など7県と並び25位タイだった。

 男女差もある。13歳未満の男女差はほとんどないが、13歳以上は男性が9.2パーセントに対し女性は4.9パーセントと差が開く。髪形を乱したくないという意識の表れだと考えられるという。

 こうした条例は近年、群馬県や愛知県など全国各地で導入自治体が増えている一方で、ヘルメットをかぶらないと直ちに違法という性質のものではなく罰則もないため、どこまで効果を発揮するかは未知数だ。

 着用率で3位だった鳥取県は、この10月で条例施行から5年が経過した。ところが昨年、自転車通勤の県職員で、ヘルメットを着けていた人が1割しかいないことが分かり県民から批判の声も出た。今年は7割にまで改善し、県民の模範にはなりつつある。

 ただ、「県民からは『安全のために必要』という肯定的な意見もあれば、『髪形が乱れる』『爽快感が得られない』『手軽に乗れなくなる』などの否定的な意見もあります」(県の担当者)といい、着けた方が安全だと分かっていても、なお普及には難しい側面がある。

 オーストラリアなど、法律でヘルメット着用を義務化し、罰則を設けている国もある。普及が進まないとなれば、日本でも今後、ルールが厳格化される可能性があるのか。

 小林氏は「オーストラリアでは義務化によって、自転車の利用者が大幅に減ってしまいました。そうした問題から、自転車利用を推進したい国は『ヘルメットは自己責任で』という流れにあります」と解説し、こう続ける。

「道交法のルールを知らなかった保護者がルールの存在を知ると、今後は子どもにかぶせようと意識が変わる方が多くいました。安全のために必要だからルールがあるということなので、法律や条例の存在をまずは知ってほしいと思います」

 知ることで、ほんの少しずつでも意識が変わるかもしれない。(AERA dot.編集部・國府田英之)

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