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「本来、無期雇用派遣は契約期間が決まった有期雇用から、無期限に働けることになるので安定して収入を得ることができる非常にいい仕組みでした。しかし、次の派遣先が一定期間紹介できない場合は、一方的に解雇するケースが目立ちます。明らかな労働契約法違反。次の派遣先を紹介できないだけで、解雇が認められるはずはありません」
さらに関根さんは、派遣会社が多額のマージンを取るため、無期雇用派遣労働者の賃金水準が低くなっているのも問題と指摘。派遣先が変わるとき、一方的に賃金を下げられるなどするケースも非常に多く、これも労働契約法違反だと批判する。
「無期雇用派遣労働者は、派遣会社にとってまだ都合のいい調整弁のように使われています。国はしっかり指導するべきです」
最低賃金引き上げ必要
賃金に詳しい都留文科大学名誉教授の後藤道夫さんは、全体的に賃金アップするには最低賃金を引き上げることが最も効果があると語る。
「最低賃金の全国平均は930円ですが、これを1500円に上げようという運動が高まっています。現在1500円以下の正社員は男性が28%、女性は50%います。この人たちの最低賃金が1500円になれば、連動して元々1500円付近にいた人たちの賃金も上がるので賃金の底上げになります」
ただ、最低賃金の引き上げは、日本ではまだ体力の弱い中小企業の重荷となる。それを解決するには政治の力が求められると後藤さんは説く。
「例えば、中小企業にとって大きな負担となっている社会保険料率を下げたり、中小企業への援助を積極的に行ったりすることが重要です。最低賃金は都市ほど高く地方ほど低くなっていて、若者の都市への人口流出を招く原因にもなっています。最低賃金を引き上げることは地方の衰退を防ぐことにもなります」
(編集部・野村昌二)
※AERA 2021年11月29日号より抜粋
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