巨人・原辰徳監督
巨人・原辰徳監督

原辰徳監督(巨人) 評価:B

 夏場まではヤクルト阪神と優勝争いを演じていたが、9月下旬から大きく失速して借金1の3位でシーズンを終え、セ・リーグ3連覇を逃した。投手では菅野智之、野手では丸佳浩が大きく成績を落とし、新外国人のスモークとテームズ、FAで獲得した井納翔一、梶谷隆幸、シーズン途中に加入した中田翔の新戦力が機能せず、誤算の多いシーズンだったと言える。やはり気になるのは新たな投打の柱候補が見えてこないところだ。投手は高橋優貴、戸郷翔征、野手は岡本和真に続く選手がなかなか出てこない。かつては小笠原道大、ラミレス、村田修一といった他球団から獲得した大物の存在が大きかったが、ここ数年の傾向を見るとそれも期待しづらい状況である。原監督は来季から新たに3年契約を結んだが、第2次政権の時のように、いかに若手を底上げできるかという点が今後の大きな焦点となるだろう。


佐々岡真司監督(広島) 評価:C

 終盤に追い上げを見せたものの巨人にわずかに及ばず、就任から2年連続のBクラスに沈んだ佐々岡カープ。チーム打率はリーグトップにもかかわらず得点数は3位と攻撃面では効率の悪さが目立ち、投手陣もルーキーの栗林良吏が絶対的な抑えとなって奮闘したが、チーム全体ではリーグ5位の防御率に沈み、投手陣を立て直すこともできていない。オフには主砲の鈴木誠也がメジャー移籍で退団することが濃厚となっており、来季はさらに厳しい状況となることが予想される。ただそんな中で評価できるのは若手の底上げだ。投手では栗林、玉村昇悟、高橋昂也、森浦大輔、島内颯太郎、コルニエル、野手では坂倉将吾、小園海斗、林晃汰などが主力へと成長し、世代交代は一気に進んだ印象を受ける。鈴木の退団でそれをさらに加速させることができれば、面白いチームにできる可能性も高いだろう。

与田剛監督(中日) 評価:C

 昨年は8年ぶりのAクラスとなる3位に浮上したが、今年は大きく成績を落として再びBクラスとなる5位に沈んだ。エースの大野雄大が成績を落としながらもリーグトップのチーム防御率をマークするなど投手陣の整備に関しては見事な手腕を発揮したが、最大の課題である得点力不足には有効な手を打つことができなかった印象だ。外国人選手の獲得など監督以外のフロント陣の問題ももちろんあるが、気になるのはやはり抜擢の遅さである。与田監督が指揮を執った3年間で完全なレギュラーに成長したのは捕手の木下拓哉だけ。大化けが期待できそうな若手ではなく、現時点でそれなりに結果を残す中堅、ベテラン選手を使い続けてチームの新陳代謝が進んでいないように見える。低迷するチームを任せられて3年間でAクラス1回というのは悪くはない成績だが、中長期的なチーム作りはできずに退任となった印象だ。

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