三浦大輔監督(DeNA) 評価:C
チーム生え抜きのスター監督ということで期待されたが、6年ぶりとなる最下位に沈む苦しいスタートとなった。外国人選手の来日が大幅に遅れるという不運はあったものの、監督としても十分な手腕を発揮できたとは言い難い1年だったという印象だ。特に大きな課題として残ったのが投手陣の整備だ。規定投球回に達した投手はゼロで、チーム最多勝は大貫晋一の6勝。リリーフ陣も安定感を欠き、チーム防御率は3年ぶりに4点台を上回る結果となった。投手出身の三浦監督だけに、このあたりは大きく期待を裏切る結果だったと言える。一方で救いは4人が打率3割をクリアした打線だ(オースティンも規定打席には届かなかったが3割をマーク)。特にルーキーの牧秀悟を抜擢して中軸へと成長させた点は非常に大きい。ただ野手陣でも正捕手とショートのレギュラーを確立できなかったところは気になる部分である。戦力的には他球団と比べて大きく見劣りするわけではないだけに、今一度チームの強みを生かした戦い方を模索する必要がありそうだ。
(文・西尾典文)
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●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員