その後、シーズン終盤に話題となったのが今季限りで現役を退いた斎藤佑樹。早稲田実業時代の2006年に“ハンカチ王子”として甲子園のヒーローとなり、大学を経て2010年のドラフト1位で日本ハムに入団したが、プロでは1年目に6勝(6敗)を挙げたのがキャリアハイとなった。2年目以降は怪我の影響もあり、成績が下降の一途をたどったが注目度は抜群で、今年も高校時代の“ライバル”田中将大楽天)がメジャーから日本球界に復帰したことで、シーズン前からスポットライトを浴びることとなった。

 プロでは苦しんだが野球界を大いに盛り上げた功労者でもあり、引退のニュースは野球界という枠を超えて報じられた。シーズン終了後には「株式会社斎藤佑樹」を立ち上げ、第2の人生をスタートさせたことで再び話題に。今後も“元日本ハム”の肩書を持つ斎藤の活動を楽しみにしているファンも多いだろう。

 そして、話題の中心となり続けた日本ハム関連のニュースで“トリ”を飾ったのが新庄剛志氏の監督就任だ。現役時代にはメジャーから帰国後に「これからはパ・リーグです!」と日本ハムへ入団し、北海道に移転したばかりの球団をグラウンド内外で盛り上げ人気チームへと変貌させたのはご存知のとおり。

 今季は中田の暴力事件の他にも人種差別発言が入ったとされる動画を球団公式ツイッターにアップしたりと、ネガティブなことでも目立ってしまった日本ハムに“救世主”のごとく現れた。すでにその状況を一変させたと言ってもいい程のポジティブな話題を提供し、来季も“新庄一色”となるのではないかという雰囲気を漂わせている。

 このようにシーズン通して話題の中心となり続けた日本ハム。これだけ注目される理由はこれまで球団が続けてきた努力の成果でもある。

 その中で最も大きいのがやはりドラフト戦略だろう。日本ハムは「その年の一番いい選手に入札する」という方針の通り、長きにわたって話題性も抜群なプレイヤーを毎年指名してきた。大谷、中田、斎藤もまさにそれに該当する選手で、ライトな野球ファンでも知るような選手が球団に多く在籍したことで注目度を高めてきた。現在プレーしている選手にも清宮幸太郎や、吉田輝星など、かつての“高校球界のスター”がおり、活躍せずとも話題を提供し続けている。

 2022年にはBIG BOSSが新たな指揮官となり再び“新庄劇場”が北の大地を騒がせることは明らかだ。さらに2023年には日本初の開閉式の天然芝球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」も開業を予定している。今後数年間も、まだまだ日本ハムがNPBの中心となって球界を盛り上げる流れは止まらなそうだ。

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