アジア最終予選では途中で布陣が変わってトップ下を得意にする鎌田はポジションを失い、予選終盤には招集メンバーから外れた。だが、フランクフルトでは5月に欧州リーグを制す原動力になるなど、2021~22年シーズンに欧州でプレーした日本人選手のなかで最も結果を出した。代表に復帰すると、布陣が戻ったことも追い風になって息を吹き返した。
■フィニッシャーの役割
「個人としては間違いなく一つのオプションになれることを示せた。ただ、(日本が)どう戦うのか、その最適な答えを探すのは監督」
鎌田は冷静だったが、久保ら一緒にプレーすることが少なかった選手との連係については、
「誰とプレーしても合わせる自信がある」
と手応えを感じたようだ。
「フランクフルトでは左のサイドハーフでもプレーしている。タケフサ(久保)が中央に入ってくれば、自分が左に残るなど、ポジションをうまく入れ替わりながらプレーできる。いまの代表にはチャンスメイクできる選手が多いので、自分は組み立てよりフィニッシャーとしての役割を意識した。誰とプレーするかによって(自分のプレーを)どう変えるかは理解している」
フランクフルトでも今季リーグ9試合でチームトップの6ゴールをマークするなど、好調の鎌田が代表でもフィットできることを示したことはW杯開幕を前に一番の朗報かもしれない。
「4-3-3」ではアンカーと呼ばれる守備的なMFは1人だった。だが、W杯での格上との対戦を考えれば「4-2-3-1」で守備的な役割を担うMFを2人にしたことは理にかなう。そのダブルボランチで遠藤航(えんどうわたる・29、シュツットガルト)とコンビを組む守田は株を上げている一人だ。今夏、ポルトガルの地方クラブから古豪スポルティングへ移籍し、鎌田と同様に欧州最高峰のチャンピオンズリーグ(CL)に出場している。
「CLでプレーすることで経験値はすごく上がった気がする。高いレベルのなかに身を置くことで、自信が付いたことは間違いない。代表でも以前より堂々とプレーできるようになった」
■過去最強と言える陣容
守田は代表チームについてはこう続けた。
「(9月の米国戦は)あくまで個人の見解だが、監督はシンプルにいま調子のよい選手を中心に起用したのでは。4-2-3-1は大地(鎌田)をより生かすためだと理解している。そのサポートは、バランスを見ながらうまくできた」