「海外勢で注目選手は、15歳の世界ジュニアチャンピオン、イザボー・レヴィット(米国)のシニアデビュー。昨シーズン、着々とトップに迫ってきていたユ・ヨンとキム・イェリムなどの韓国勢。いずれもキム・ヨナに憧れて育った世代が、ちょうどピークを迎えつつある。彼女たちが今季、どこまで順位を上げてくるのかも注目です」(同)
次にペア。
「北京五輪王者の隋文静・韓聡組(中国)と、ロシア勢が抜け、この2シーズンで急成長した三浦璃来・木原龍一組の世界タイトル獲得が現実として見えてきました。昨シーズン世界選手権2位だった三浦・木原組。この夏に三浦がアイスショーで負ったケガの一日も早い回復が望まれます」(同)
最後にアイスダンス。
「北京五輪王者のガブリエラ・パパダキス、ギヨーム・シゼロン(フランス)組が今季は競技活動を休止。日本の村元哉中・高橋大輔組はまだ結成3シーズン目だが、昨シーズンは四大陸選手権で2位に入った。毎シーズン急成長している2人の今季のさらなる躍進が楽しみ」(同)
四大陸選手権のアイスダンスで2位は日本勢過去最高だ。頂点も視野に入ってくる。
前出の佐野さんもこう重ねる。
「2シーズン目の全日本選手権の大輔は本当にダンスの人になっていましたね。1年目は(ジャンプができる選手だからこそ、見ていて)『なんで跳ばないんだよ』みたいなのが僕にはありましたけど(笑)。当時はぎこちなさがありましたから。でも2年目の演技はすごくよくなっていました。ステップワークに非凡な才能を持っている彼は、フィギュアスケートで『競技する』ことが好きな人。アイスダンスでいつまで、どこまでできるのか、彼自身も考えているでしょう」
今シーズンも緊張と期待の気持ちを持って、フィギュア観戦を楽しみたい。(本誌・大崎百紀)
※週刊朝日 2022年10月28日号