フィギュアスケートのシーズンが始まった。10月の米国大会を皮切りに、グランプリシリーズ(GP)、年末の全日本選手権。年が明けてからの四大陸選手権、世界選手権と続く。ケガから復帰の紀平梨花やアイスダンスの村元哉中・高橋大輔組、宇野昌磨と米国の新星、イリア・マリニン(米国)らにも注目だ。今季の見どころについて聞いた。
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北京五輪後、フィギュアの世界では、大きなルール変更やトップ選手らの引退など様々な動きがあった。記憶に新しいのが羽生結弦さんの引退だ。競技生活から離れ、すでにアイスショーで活躍している。平昌五輪代表で、全日本選手権を4連覇し、浅田真央さんの後の日本を引っぱってきた宮原知子さん、同じく平昌五輪代表の田中刑事さんも引退を発表した。
国外では、14歳で米国女子初の4回点ルッツを成功させたアリサ・リュウ(16)は、シニア1年目にして、この4月に引退を表明。米国男子のトップ3(ネイサン・チェン、ヴィンセント・ジョー、ジェイソン・ブラウン)も競技活動を休止した。
そんななか、今もっとも勢いがあるのが米国の若手・イリア・マリニン。羽生さんが挑み続けた4回転アクセルを跳ぶ。
フィギュア解説者の佐野稔さんは語る。
「イリア・マリニンが(GPの)どこで4回転アクセルを成功させられるのか。まさに見どころで、歴史が変わる瞬間です」
宇野は今年3月の世界選手権で優勝し、日本では史上3人目の王者となった。世界王者として挑む今シーズン。新ルールにあわせた高難易度のジャンプの練習に励んでいる。インタビューで宇野は常に「自分はもっと上を目指せる」と口にする。
「宇野の昨シーズンのフリーのプログラムは辛く厳しいものでした。北京五輪でのミスを修正し、世界選手権で見事に滑り切りました。(宇野選手の発言は)自分自身にプレッシャーをかけているのかもしれませんね。そしてそれが結果につながっているところが宇野のスゴイところ」
佐野さんは宇野をそう評価する。