週刊朝日 2022年10月28日号より
週刊朝日 2022年10月28日号より

 世界選手権の出場枠は三つ。宇野に続く選手も気になるところだ。北京五輪銀メダリストの鍵山優真はケガのためGPシリーズを欠場する。鍵山は「全日本選手権では万全な状態で演技ができるように頑張ります」とツイートしており、復帰が待たれる。現時点での日本男子は、宇野・鍵山がツートップだからだ。

「第3の男にも注目です。ベテランの意地を見せる友野一希か、三浦佳生か。ケガから復活の佐藤駿か。ケガからはい上がってきた選手は強い。氷の上に立てない苦しさ、立てるようになった時の新鮮さが、私もケガに泣かされてきましたのでわかるんです」(佐野さん)

 ジュニア時代から鍵山と争ってきた佐藤にとって、鍵山の五輪銀メダルは大きな刺激となったことだろう。

 米国在住のフィギュアライター田村明子さんも、

「佐藤駿はシニアに上がってからケガにさいなまれてきた。彼本来の調子が戻っていれば今季はリベンジの絶好のチャンス」

 男子の海外勢で最も注目されているのは、

イリア・マリニン
イリア・マリニン

「17歳のマリニンは9月のUSインターナショナルクラシックで公式試合では世界初となる4回転アクセルを成功させました。世界ジュニア王者である彼が、今季シニアでどこまで成績を伸ばしてくるか目が離せない」(田村さん)

 そして、女子については、

坂本花織
坂本花織

「ベテランらしい風格で新世界女王となった坂本花織が、今季は振付師を代え、心機一転で新たなシーズンを迎えます。女王の座が自信とモチベーションとなるか、あるいはプレッシャーか。競技者としての真価が問われる次の五輪までの4年間になるでしょう」

 と坂本に注目しつつ、こう話す。

「ケガから復帰の紀平梨花がどのくらいの体力と技術を戻しているかによって、今シーズンの表彰台の顔ぶれが変わりそうです。惜しいところで北京五輪代表を逃した三原舞依や、今季から樋口美穂子コーチの元で再スタートを切った河辺愛菜にも期待したいところです」

■村元・高橋ペア 頂点も視野に

 安定したジャンプと、豊かな表現力が強みの三原は、関節が痛む「若年性特発性関節炎」の影響で、リンクから離れた時期もあったが戻ってきた。

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