ナインアワーズ大手町/廊下部分がガラス張り。開放感がある。滞在中の眠り、シャワーやタオルの質にこだわっている=ナインアワーズ大手町提供
ナインアワーズ大手町/廊下部分がガラス張り。開放感がある。滞在中の眠り、シャワーやタオルの質にこだわっている=ナインアワーズ大手町提供
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 狭くて、利用客は男性ばかり。そんな従来のイメージが変わりつつある。本当だろうか。進化型カプセルホテルに記者が泊まってみた。AERA 2022年10月3日号より紹介する。

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「出張でもないのに、高級カプセルホテルに泊まる……贅沢!」「カプセルホテルめっちゃおしゃれ! 開放感すごい~!」

 ユーチューブやインスタグラムで、こうした女性からの投稿をいくつも目にした。

 カプセルホテルと言えば、男性専用で古めかしく、終電を逃したときに泊まるイメージだったのだが。

 少し前から気になってはいたが、やはりハードルは高い。でも、記者(女性、30歳)が思い切って、都内のカプセルホテルに泊まって取材してみると、豪華で居心地のいい「進化型カプセルホテル」が、多く誕生していた。

 取材で歩き回った夕方、疲れがどっと押し寄せた。もう家に帰るのも無理……。

 そんな日に行ったのは、東京メトロ竹橋駅近くの「ナインアワーズ大手町」だ。

 外装も内装も白。共用スペースの机や椅子はシンプル。有名デザイナーが手がけた。

■快適、SNS映えも

 カプセルホテルは閉鎖的なイメージが強いが、ここは廊下の壁がガラス張りで、明るいうちは、日光がよく入る。暗くなったら、暖色のライトが窓の外に漏れる。SNS映えする。

 男女別の専用エレベーターでフロアも別々。ベッドも厚く、硬めで腰が痛くならなそうだ。慣れない布団だと寝られない記者もぐっすりだった。

 寝る前に共用スペースで「残業」した。机、いす、コンセント、Wi-Fiがある。家なら寝てしまうけど、ここなら緊張感を保てる。想像以上に快適だ。ナインアワーズの米本秀高さんは言う。

「ナインアワーズの名前の由来は『1時間のシャワー+7時間の睡眠+1時間の身支度=9時間』です。眠るだけなのに、個室ホテルは割高に感じる。だからといってネットカフェに泊まるのは疲れる。そんな方たちのために必要な『眠り』と『シャワー』に特化したサービスを提供しています」

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