料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「イカスミのパエリア」。
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ご覧の年季が入ったパエリア鍋は、かれこれ30年以上は使っているかしら? パエリアのなかでも、私はイカの風味がストレートに味わえる、イカスミを使ったものが好き。友人を招き、お歯黒にしながら食べるひとときは楽しいもの。フライパンひとつで作れるのでおためしください。
材料の下準備をしたら、ニンニク、玉ねぎ、イカをオリーブ油で中火で炒めます。玉ねぎがしんなりしたら弱火にし、米を加えて透き通るまで炒めましょう。
これに白ワインとイカスミペーストを加えて煮ますが、イカに茶色いワタが付いていたら加えるとうまみが出ます。煮ている間はヘラだと米に粘りが出てしまうので、時々菜箸で混ぜるのもポイント。
しばらくして水分が飛んだら、ピーマンとパプリカを加えてフタをし、弱火で蒸し焼きにします。途中、味見をしながら、米がお好みの硬さになったら完成です。最後にもうひと手間。フタを取って強火で1分ほど焼くと、カリッと香ばしいお焦げが楽しめますよ。
(構成/沖村かなみ)
■イカスミのパエリア
【材料】(2人分)イカ1杯、米1カップ、ニンニク1片、玉ねぎ1/4個、ピーマン1個、パプリカ(赤)1/2個、A(白ワイン200ml、イカスミペースト4g)、オリーブ油大さじ1、塩・胡椒各適量、レモン適量
【作り方】(1)米は軽く洗って水を切る。ニンニクと玉ねぎはみじん切りに、ピーマンとパプリカは角切りにする。(2)イカは下処理後、皮をむき、胴を輪切りに、ゲソはひと口大に切る。(3)フライパンにオリーブ油を引き、中火でニンニク、玉ねぎ、イカを炒めたら米を加え、弱火で米が透き通るまで炒める。(4)Aを加え、時々菜箸で混ぜながら中火で煮て、塩、胡椒で味を調える。(5)水分が飛んだらピーマンとパプリカを加えてフタをし、弱火で10~15分蒸し焼きにし、くし形切りレモンを添える。
【ワンポイントアドバイス】胴の中の軟骨を指先ではずしながらワタを引き抜き、内部をきれいに洗う。
ピーマンとパプリカは水分が飛んでから加え、フタをして蒸し焼きにする。
※週刊朝日 2022年9月23・30日合併号