ちなみに、「台湾有事」などの際における米海兵隊の「遠征前進基地作戦」では、中国軍のミサイル射程内にある米海兵隊を守るために小規模部隊に分散させて主に沖縄の離島に展開することになっていて、現在日米が協議中だという。
つまり、沖縄の離島で進む基地や部隊の配備は、基本的に米海兵隊の対中国作戦のために行われているわけだ。しかも、沖縄が攻撃されることは前提となっていない。
沖縄の人々は、沖縄を守るために、基地の拡大を受け入れているが、実際には、沖縄と関係のない事態でも、米中紛争が起これば、自動的に沖縄が巻き込まれるシステムが完成しつつある。浜田靖一防衛相は日経新聞インタビューで、南西諸島に火薬庫を増設し、「継戦能力」を高めると語ったが、これは、いよいよ沖縄が戦場になる準備の最終段階になったことを示している。本稿は沖縄県知事選投票前に執筆したが、その結果に関わらず、沖縄県知事は、こうした政府の方針に明確に反対してもらいたい。
※週刊朝日 2022年9月23・30日合併号