作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。5人目のゲストは、研究者で実業家の成田悠輔さんです。
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大宮:成田さんは東大の中でも天才って言われてた感じだったのではないかと勝手に思ってて。
成田:いや、あんまり行ってなかったんで、大学。行かれてましたか?
薬学部でしたっけ。
大宮:そうです。(1、2年生の)駒場は行ってなかったけど、薬学部だと行かないといけなくて、実験とか。
成田:ですよね。
大宮:あ、いま眼鏡外されましたが、だいぶ印象変わりますね。
成田:この眼鏡、衣装でもなんでもなくて、これしか持ってなかったんですよ。そしたらいろいろ支障が発生してきたんで。
大宮:支障?
成田:例えばやたら記念撮影とか言われるんで、もう面倒くさくなって、最近は八角形のだて眼鏡っぽいものをかけるようにしてます。
大宮:外したとき2枚目キャラになってびっくりした。あ、そういえば、岡山に最近行ったんですが、そこの男性陣が、「最近会いたい人は成田さん」って、みんな、きゃーきゃー言ってましたよ。
成田:ごく一部の謎の熱狂みたいな。
大宮:そんなことないでしょ。
成田:マイナー地下アイドルみたいな感じで。
大宮:またまた。
成田:僕が一番引いてます(笑)。
大宮:でも、なんでしたっけ、東大からMIT?
成田:MITって実は経済学で世界で一番すごい学校なんですよね。
大宮:そうなんだ!
成田:人類学とか哲学とかそういうのもすごく強い。日本のアニメ研究とかもかなり強いです。
大宮:アニメも!
成田:日本のアニメの上映で細田守さんが来たり、初音ミクのライブやったり。MITはちょっとやばいオタクの人が多いので、そういう人は日本に引きつけられる傾向ありますね。
大宮:東大だと物足りなくて、MITに行ったんです?
成田:いや……僕は、学校とか大学は、もうしょうがなくてそこにいるって感じで。