■ソフトバンク:A

・主な新戦力
タイラー・チャットウッド(新外国人・投手)
フレディ・ガルビス(新外国人・内野手)
マルコ・シモン(新外国人・外野手・育成契約)
コリン・レイ(日本球界復帰・投手)
又吉克樹(FA中日から移籍・投手)
正木智也(ドラフト2位・外野手)
野村勇(ドラフト4位・内野手)

 日本シリーズ5連覇を逃すどころかBクラスに沈んだこともあって、このオフは積極的な補強に動いた印象を受ける。まず注目度が高いのがチャットウッドとガルビスの新外国人選手2人だ。チャットウッドはメジャー通算52勝を誇る右腕で、2016年には12勝をマークしている。ここ数年はリリーフでの登板が多かったが、昨年も32試合に登板し、防御率は5点台ながらイニング数を上回る奪三振を記録した。突如崩れる点は課題だが、実績も実力も申し分なく、先発の一角として期待できる。ガルビスはメジャー通算966安打、109本塁打を記録している強打の内野手。ショートの守備力も高く、ここ数年低迷している今宮健太に代わる正遊撃手として期待がかかる。また内野なら全ポジション守れるという点も大きな魅力だ。昨年開幕から3勝をマークしながら家庭の事情で退団したレイの復帰も決まり、退団したマルティネスの穴を埋めるための補強は十分という印象だ。

 さらに故障者の多いリリーフ陣の補強として中日から又吉を獲得。昨年は交流戦でも見事な成績を残しており、セットアッパーとしてかかる期待は大きい。ルーキーで最も即戦力に近そうなのが4位の野村だ。社会人ではショートを守ることが多かったが、内野も外野も守れるユーティリティプレーヤーで、パンチ力も光る。貴重なバックアップ要員として戦力になるだろう。


■日本ハム:C

コディ・ポンセ(新外国人・投手)
ジョン・ガント(新外国人・投手)
レナート・ヌニエス(新外国人・内野手)
アリスメンディ・アルカンタラ(新外国人・内野手)
古川侑利(巨人を自由契約になり移籍・投手・育成契約)
水野達稀(ドラフト3位・内野手)
長谷川威展(ドラフト6位・投手)
北山亘基(ドラフト8位・投手)
上川畑大悟(ドラフト9位・内野手)

 西川遥輝、大田泰示、秋吉亮という実績のある選手3人を自由契約として話題となった日本ハム。チームの中長期的なことを考えればマイナスばかりではないが、今シーズンに限って言えばやはり戦力ダウンと言わざるを得ないだろう。また残留交渉中と言われているバーヘイゲンも退団となれば、さらに大きな痛手となりそうだ

 新戦力としては投手2人、野手2人の新外国人が中心となる。メジャーでの実績を考えると、期待が大きくなるのはガントとヌニエスの2人だ。ガントはメジャー通算24勝、3セーブ、28ホールドをマークしている右腕。昨年も5勝11敗と負け越したが、キャリアで2番目に多い110イニングを投げている。コントロールには難があるものの、ツーシームとチェンジアップは一級品のボールで、先発の一角として期待される。ヌニエスは2019年にシーズン31本塁打を放った右のパワーヒッター。翌年以降は成績を落とし、昨年はマイナーでのプレーが多かったが、3Aではしっかりと結果を残している。三振の多さと守備力の低さは気になるものの、チームに不足している右の大砲として貴重な存在となりそうだ。

 ドラフトでは上位2人は高校生だったが、3位以下で戦力になりそうな選手は少なくない。投手で面白いのが6位の長谷川だ。独特のボールの角度とスライダーが武器のサウスポーで、左打者キラーとなりそうな雰囲気がある。宮西尚生、堀瑞輝に次ぐ存在となることを目指したい。野手も3位の水野はパンチ力とスピード、9位の上川畑は守備に定評があり、二遊間の層を厚くする存在として期待できるだろう。

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