保護団体をはじめいろいろな方が譲渡先を探して下さったのですが、「決まりかけると、なぜか話が流れてしまう」ということが何カ月も続きました。夫も里親を一生懸命探していました。
助ちゃんは疾患もあるし“決まりにくい”のはわかるけど、豆太まで決まらないのは不思議でした。これも運なのでしょうか。
◆お風呂の出待ちも 甘え上手の助ちゃん
譲渡先が決まらないことは夫も承知していました。でも、一緒に住むうちに夫も情が湧いたというか、猫への気持ちも変わってきたようです。
助ちゃんは、天才的な甘え上手だったのです(笑)。
夫が仕事から戻ると、ぱーっと玄関に迎えに行き、夫がお風呂に入ると、浴室の前で出待ちをします。その姿の写メを撮って、「あなたが出てくるまで健気に待っていたのよ」と見せると、夫は「へえ~」とまんざらでもない様子。
そうこうしているうちに半年経ち、豆太と助ちゃんを正式にわが家の家族にすることにしました。
助ちゃんは、主治医の先生に「天命は全うできないかも」と何度も言われたので、腹をくくって、迎えました。
◆猫も犬も血が流れていて、感情がある
猫たちの前に迎えた、トイプードルの黒豆についても、少し触れたいと思います。
私には社会人の長男(23)と、大学生(20)の次男がいます。その長男が大学生の時、私と夫を下宿先の近くの商業施設のペットコーナーに連れていき、「友だちの家で犬を飼っていて、帰った時に嬉しいから、うちも犬がいたほうがいい」と言うんです。心づもりもなく、売れ残っていた黒豆の前にたたずんでいたら、「この子をずっと見ていましたよね」とお店の人が抱かせてくれて……かわいいと思ったけど、それでも、3時間はその場で悩みました。
フランスでペットの動物の売買を禁止したとニュースで知りましたが、日本でもペットショップでの動物の紹介の仕方や衝動買いは問題視されていますよね。