入院前の豆助(左)、豆太と家でよくくっついていた(提供)
入院前の豆助(左)、豆太と家でよくくっついていた(提供)

 でもいっこうに体が大きくならないし、嘔吐が治まらないので、別の動物病院にいくと、「食道が垂れ下がっている」「食べた後に“縦抱き”をして」と言われました。

 それで食事のたびに30分くらい縦に抱いたけれど、やはりよくならない。お世話と心配で私は眠れず、一カ月で5キロもやせました。正直、逃げたいと思ったこともありました。周りには「野良に戻すことを考えたら」とも言われました。でも「外に出したら死んでしまう」と思い、助ちゃんに向き合ったのです。

 その後、紹介でまた別の動物病院に連れていきました。するとそこの先生は、きつい口調で私に言ったのです。

「来るのが遅い!この子は見るからに重症です。ミルクをこのままあげていては間違いなく死にます」と。

 厳しい先生でしたが、猫のことを思ってです。だから私にこうもおっしゃいました。

「僕はこの子を死なせたくはないので、できる限りのことがしたい」

 その日から検査も含め10日以上入院。この先生は助ちゃんの主治医となりました。

 助ちゃんの運命の分かれ道でしたね。よい先生と出会い、ぎりぎりのタイミングで間に合ったのです。動物病院にもいろいろあり、獣医師の考え方や方針もさまざまなのだとそのときにわかりました。

◆決まりかけるとなぜか流れてしまう

 豆ちゃんは神経疾患でした。それで、嘔吐も激しく、腸から栄養も吸収されず体が小さかったのです。

 しかも、助ちゃんはかなり珍しい症例のようでした。

 何しろ体が小さく、(生後5カ月時に、体重は500グラムくらい)神経疾患のための薬を飲むと、一気に具合が悪くなってしまう。それで、一日2回、腸からうまく栄養吸収できる粉薬と、高栄養の療法食を一日60グラム、4回に分けてあげることになりました。

 その方法で、嘔吐がやっと落ち着いてきました。

 豆太に関しては、手もかからず、すくすく育ってきました。目がまん丸で、甘えん坊で人懐っこく、この子もかわいい。

 ところが、2匹とも「行き先」が見つからないのです。

親子みたいだけど同級生です(提供)
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これも運なのでしょうか…