うちの場合もお店での出会いではありました。それでも黒豆と生活を通し、それまで知らなかった動物の温もりや生き物の愛おしさを知りました。あの時に黒豆を迎えてよかったと心から思っています。そして、その黒豆と生活をしていたからこそ、豆太や持病のある助ちゃんを、覚悟をもって受け入れることができたと感じています。
猫たちが来てからは目まぐるしい感じでしたが、動物と一緒に暮らして価値観や暮らし方が変わりました。
以前は、旅行にいったり、おいしいものを食べたりするようなぜいたくをしたいと思うことがよくありました。今はそうした「欲」があまりなくなり、些細なことに感謝できるようになりました。
犬や猫も、心臓があって血が流れている。ご飯が食べたい、遊びたい、甘えたい、嫌だ、悲しい、うれしい……私たちと同じ感情もある。そのことを、この年になって、この子たちから教わった感じです。
とくに、助ちゃんを見ていると、「元気なこと」が当たり前でなく、ありがたいことだとわかる。
正直、助ちゃんの療法食代や薬代はかなり、かかります。周囲からは「野良猫なんかにお金をかけて」とか「野良をよくお世話できるね」といわれることもあるのですが、家族になったらどこで生まれたかは関係がないですからね。
◆春が来たら2歳「このうちにずっといてね」
助ちゃんは、今は安定し、動物病院の先生も「この子はすごい」と言ってくださいます。
それでも体を冷やすと調子が悪くなるので、あんかや、猫用コタツで冷えないようにしています。
また、怖いのが誤食です。助ちゃんは、どれだけ食べても満腹感を感じないため、キッチンに入りたがるのです。
ちょっと前に、私が目を離したすきに、助ちゃんは台所に置いてあったグリーンカレーを食べてしまったこともありました。あんな辛い物を! 気づいた時には鍋に顔を入れていて、口からカレーがたらたら……。幸い何ともなかったのですが。