オートファジーとは、細胞内の古くなったタンパク質が除去され、新しいものに作り変えられるという仕組みです。まさしく細胞が内側から生まれ変わるのです。
そのため、オートファジーには、がんや糖尿病をはじめとする生活習慣病、アルツハイマー型認知症、感染症などの予防効果や、肌や筋肉などの老化防止の効果があると考えられています。
また、古くなったミトコンドリアは、大量の活性酸素を生み出しますが、オートファジーによって新しく生まれ変わることで活性酸素の量も低下します。
さらに、断食をすると「ケトン体」という代謝産物が増加するといわれています。ケトン体とは脂肪を燃焼させることで作り出されるエネルギー源で、心身をリラックスさせる効果があります。
◆「断食」で腸内環境を整える
食べすぎは腸内環境を悪化させます。常に大量の食べものが運ばれて来たり、働きすぎによる疲弊や老化などによって腸の機能が衰えると、腸内には、きちんと消化されなかった食べものがたまっていき、悪玉菌がそれらを腐敗させます。そこからアンモニアや硫化水素といった有害物質や発がん性物質が体の中で増えていくのです。
腸内環境の悪化は、
「下痢や便秘が起きやすくなる」
「有害物質が毛細血管をとおって肌を荒れさせ、吹き出物ができやすくなる」
「太りやすくなる」
など、体にさまざまな影響が及び、ときにはがんなどの大きな病気につながることもありますから、食べない時間を作って腸に休息をとらせることがとても大事なのです。
◆アレルギーに悩む人にもおすすめ
免疫細胞の6割は、腸に集まっているといわれています。食べものと一緒に入ってきたウイルスや有害物質を排除するためです。ですから、腸内環境の悪化は免疫細胞の働きにも、大きなダメージを与えます。
腸内環境が悪化すると、免疫細胞が正常に働けなくなり、本来は害のないものを敵であると見なし、攻撃するようになります。あるいは、有害物質によって腸の粘膜が弱り、腸壁に傷ができると、そこから、未消化のタンパク質が体内に入り込み、アレルギー反応が起こることもあります。
腸をいたわること、食べすぎを防ぐことは、アレルギーを改善するうえで、非常に重要です。アレルギー疾患に悩んでいる人は、ぜひ「ものを食べない時間」を作ってみてください。