ところが、来日予定日の1月29日、搭乗機が福岡空港に到着したというのに、ペーニャの姿はどこにも見当たらない。

 しかも、同じ便に乗り合わせていたチームメイトのブライアン・ファルケンボーグが「プロ野球選手なら、乗ってたらわかるけど、プレミアクラスには、僕しか乗っていなかった」と証言するではないか。

 にもかかわらず、本人から連絡がなかったことから、「どこに消えた?」と球団関係者は大慌て。

 実は、シカゴ発の便の出発が遅れ、成田での乗り継ぎに失敗したのが原因だった。急きょ別会社の便に乗り換え、2時間遅れで福岡に到着したペーニャは「生後4カ月の娘・ブリアナをあやすのが大変だったんだ」と苦笑いだった。

 今年も新型コロナのオミクロン株急拡大により、新外国人の入国は厳しい状況。関係者の心配のタネは当分尽きそうにない。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2021」(野球文明叢書)。

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