予兆は2019年。家に来て2年経った時、ふぶきのうんちが出なくなり、元気を失くしたのです。便秘でした。

 病院に連れていくと、すぐさま「摘便(てきべん)」という処置が施されました。先生に、固くなったうんちを肛門から掻きだしてもらったのです。すると、翌日からふぶきはすっかり元気になったので、「この子は便秘をしやすいから気を付けてあげよう」と思ったものです。

 その後しばらくは元気に過ごしていたのですが、一昨年の10日2日、ふぶきがごはんを食べなくなりました。よく観察すると、うんちが出ていません。また便秘かなと思って、病院に連れていくとやはり便が詰まっていて、先生が摘便をしてくれたのですが……。

 前と違って、ふぶきの体調はよくなりませんでした。

 その病院では、摘便をする時に(暴れないように)麻酔をしていました。だから最初は、今回は麻酔が切れるのが遅いのかと思いました。しかし、帰宅してもふぶきはつらそうにぐったりして、ごはんを食べません。翌日になっても元気がでない。水を飲もうとしても飲めず、尿の色も濃い。私はふぶきの中で何かまずいことが起きていると感じました。

 その翌朝、夫とふたりでふぶきを病院に連れていきました。まさかそのまま、ふぶきと「お別れ」することになるとは、夢にも思いませんでした。

夫の膝で幸せそうに甘えるふぶき。名前はさくらと共に漫画から命名した(提供)
夫の膝で幸せそうに甘えるふぶき。名前はさくらと共に漫画から命名した(提供)

◆目の前で心臓マッサージ「うそでしょう?」

 病院に連れていくと「黄疸が出ている」といわれました。私たちはを飼うのが初めてで、猫の黄疸は見たことみたこともありません。「とにかく状態がよくないので至急、処置が必要です。このまま預からせて下さい」と言われ、先生にふぶきを託したのです。

 そして、家に帰ってしばらくしたら、病院から電話がありました。「危ないので早く来て下さい、心臓が止まりかけています」と。

 慌てて病院に戻ると、ふぶきは心臓マッサージを受けている最中でした。

「ふぶき、なんで」

「うそでしょう?」

 その後のことは、はっきり覚えていません。

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夫婦で泣き、私は仕事を休んだ