ReBitの出張授業の様子。「LGBTQという単語は知っていても、当事者に会ったことはない、という人も多い。出会う経験が、一緒に生きているかもしれないという想像につながります」(中島さん)(写真:ReBit提供)
ReBitの出張授業の様子。「LGBTQという単語は知っていても、当事者に会ったことはない、という人も多い。出会う経験が、一緒に生きているかもしれないという想像につながります」(中島さん)(写真:ReBit提供)
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 偏見を認識し、ちがいを受け入れる──。ジェンダー問題を解消していくために、教育現場では今、さまざまな取り組みが始まっている。LGBTQ当事者による出張授業もその一つだ。AERA 2022年1月31日号は「性と社会」特集。

【写真】ReBitのAlly Teacher’s Tool Kit

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 ジェンダー教育、性教育では校外から講師を招いて出張授業の形で採り入れる学校も多い。小学校から大学までを対象に出張授業の事業を行っている団体の一つがNPO法人ReBit(リビット)だ。LGBTQの当事者やアライがメンバーとして参加する団体で、職員やボランティアなど40人ほどが活動に参画している。アライはLGBTQを理解し支援する考えを持つ人のことを指す。

■ちがいにフォーカス

 1月上旬、帝京大学文学部社会学科では久木元真吾教授の授業「ジェンダーの社会学」の一環で、ReBitの講師を招いてオンライン授業が行われた。

 演題は「多様な性ってなんだろう?~互いの違いを受け止めあえる社会を目指して~」。講師はLGBTQ当事者の大学生だ。

 30人ほどの履修生が画面に並び講義が始まったが、講師も履修生も同年代とあり、堅苦しさは一切ない。

 シスジェンダー、アセクシュアルなど多様な性を示す用語の説明などをしたあとは、講師自身のセクシュアリティーやライフヒストリーを紹介。

 講師は「女性とお付き合いした経験もあるが、恋愛感情があったかと言われると自信がない」と率直に語り、自分のセクシュアリティーをある人に相談した時に「いつか誰かを好きになれたらいいね」と言われプレッシャーに感じた経験から、恋愛感情を抱かないアセクシュアルの人もいることを示した。

 授業後半では、「身近な人からカミングアウトを受けたらどうする?」などを考えるワークも採り入れられた。カミングアウトされたときにはまずは相手に「ありがとう」と伝えよう、などの具体的なアドバイスも。

 印象的だったのは、セクシュアリティーだけにとどまらない、さまざまな「ちがい」にフォーカスしていたことだ。

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