プロ野球の2022年シーズンも、開幕まであと1カ月と迫っている。今季もメジャー通算52勝のタイラー・チャトウッド、メジャー通算109本塁打のスイッチヒッター、フレディ・ガルビス(いずれもソフトバンク)、メジャー通算96本塁打、98盗塁のグレゴリー・ポランコ(巨人)ら、各球団の新外国人が話題を集めている。
過去にも多くの助っ人たちが日本でプレーしているが、中には来日前の実績よりも、英語読みでは絶対に読めない“難読”の名前(姓)で注目を浴びた選手もいる。
最初にクイズを出題しよう。「Jacome」の読み方は?
英語読みで、「ジャカム」「ジャコム」、または「ジャカミー」、あるいは、ひと捻りして「ジェイコム」と、どこかで聞いたような名称を答える人もいるかもしれない。だが、いずれも不正解だ。
答えは、なんと、ハッカミー(ジェイソン・ハッカミー)。1999年にヤクルト入りした左腕で、同年にチーム最多の12勝、翌00年にも8勝とエース格として活躍。人気俳優のブラッド・ピット似のイケメンでもあったので、覚えているファンも多いはずだ。
それではなぜ、「Jacome」が「ハッカミー」になるのかというと、英語読みではなく、スペイン語読みだからだ。
スペイン語圏では、「ジャパン」が「ハポン」、「銀座」が「ヒンサ」となるように、「J」はどの母音でも「ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ」、「G」の場合は「Gi」を「ヒ」、「Ge」を「ヘ」と発音する。スペイン出身の人気歌手、フリオ・イグレシアスもご存じのように「Julio」のスペルで「フリオ」だった。
この法則を「Jacome」に当てはめると、無理なくハッカミーになるというわけだ。
ハッカミーと同様に、09年に日本ハム入りしたルイス・・アントニオ・ヒメネス・カマカーロと19年に楽天入りしたルイス・ドミンゴ・ヒメネス・ロドリゲスも、日本での登録名は「Jimenez」のスペルで「ヒメネス」だった。どちらも活躍できずに1年限りで退団しているので、残念ながら、話題になることはほとんどなかった。