
高卒3年目の時点で大谷翔平を上回るとの声も上がっていた佐々木朗希が開幕前から豪速球を連発し、大ブレークを予感させている。3月5日のソフトバンクとのオープン戦では5回無失点で9三振を奪った。AERA 2022年3月14日号の記事を紹介する。
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開幕前にもかかわらず、ロッテ・佐々木朗希(20)が衝撃の投球を見せている。2月19日の練習試合・日本ハム戦(名護)で、自己最速タイの163キロを計測。26日の練習試合・西武戦(高知)では最速158キロの直球、フォーク、スライダー、カーブを交えて3回7奪三振のパーフェクトな投球を披露する。特に初回は、外崎修汰(29)、森友哉(26)、呉念庭(28)から3者連続三振を奪った。
ロッテの公式YouTubeチャンネルは登板の様子に密着。佐々木は登板後にこう話した。
「変化球をけっこう投げたんですけど、しっかり試せて、真っすぐも前回より精度が上がって良かったです」
スポーツ紙遊軍記者は言う。
「下半身が昨年よりどっしりしたように感じます。トレーニングを積んだのでしょう。直球が球速以上に速く感じるので打者が振り遅れる。あの速さに対応するのでも大変なのに、直球と同じ軌道から精度の高い高速フォーク、スライダーをきっちり投げ分けている。脱力したフォームから150キロ中盤の直球を投げ続ける姿は大谷翔平(エンゼルス、27)をほうふつとさせる。高卒3年目の時点で比べると、大谷より完成度は上だと思います。2桁勝利はノルマで、最多勝争いを繰り広げる可能性も十分にあります」
大谷は高卒3年目のシーズンに15勝(5敗)、防御率2.24でタイトルを獲得している。それより完成度が上とは衝撃的だ。さらに佐々木は3月5日のソフトバンクとのオープン戦(ペイペイドーム)で自己最速タイの163キロを含む160キロ台を連発し、5回2安打9奪三振で無失点に抑えた。
佐々木は1軍デビューを飾った昨年、11試合に登板し、3勝2敗、防御率2.27。将来を見据えて体に負荷をかけず育成する首脳陣の方針で、中10日以上の間隔を空けて登板を重ねた。
変化球の精度、クイックモーションやフィールディングなど課題を克服し、先発ローテーションに不可欠な存在に。10月は3試合登板で1勝0敗、防御率0.47と抜群の安定感で、11月6日のクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ初戦・楽天戦(ZOZOマリン)では6回10奪三振1失点と快投した。加速度的な成長速度で早くも「負けない投手」になりつつある。