水野美紀さん
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 42歳での電撃結婚。伝説の高齢出産から4年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。なんと、今回が最終回です。最後にお届けするのは……。

【唐橋充さん、連載最後のイラストはこちらです!】

*  *  *
「探偵が早すぎる」という4月期ドラマの撮影が始まっている。

 シーズン1から2本のスペシャルを経て、今回シーズン2。主演の滝藤賢一ことけんちゃんと広瀬アリスとはもう気心知れた仲だ。

 2018年の夏に「はじめまして」と出会って足掛け5年。

 けんちゃんはすっかりマッチョになって、アリスはすっかり大人の色気漂うレディーに。0歳だった我が子はもうすぐ5歳。こうしてまた同じメンバーで集まれるのは幸せなことだ。

 私に至っては衣装までずっと一緒だ。シーズン1からずーっと同じ白シャツに黒スカート。そして同じ髪型。シャツには若干、年季が入ってきた。

 今回、事前に衣装合わせをするというので「とうとう衣装が変わるのだろうか??」と思って指定の場所まで出向いた。

 監督はじめスタッフが集まっており、「またよろしくお願いします!」と挨拶して回ってからフィッティングルームに着替えに入ると、用意されていたのは前回と全く同じ衣装であった。

 首をかしげながらもなつかしいその衣装を着て、フィッティングルームから出る。

 待っていたスタッフは着替えた私の姿を見てなんというか、「そうそう、これこれ」感を醸し出している。

「あの、他の衣装もあり(ますか?)」

 問いかける私に監督が食い気味で、「ありません。以上です」。

 衣装合わせはものの5分で終わった。

 いる!?? 衣装合わせいる!??

 おもわず叫んだ。いやいや、みんな爆笑してるけどさ。

「一応、確認です(笑)」だそうだ。

 まあ、いよいよ始まるぞ! と気分が上がったんだけどね。

 そしてクランクイン。

 このシリーズ、脚本の段階でアドリブまで書き込まれたような面白さで、読みながら何度も笑ってしまうのだが、そこから現場でさらに膨らんでいくのが醍醐味でもあり、楽しみな点でもあり、プレッシャーでもあり、体力を消耗する点でもある。

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水野美紀

水野美紀

水野美紀(みずの・みき)1974年、三重県出身。女優。1987年にデビュー。以後、フジテレビ系ドラマ・映画『踊る大捜査線』シリーズをはじめ、映画、テレビドラマ、CMなど、数多くの作品に出演。最近では、舞台やエッセイの執筆を手掛けるなど、活動の幅を広げている。2016年に結婚、2017年に第一子の出産を発表した

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