遊歩道となった「鵬雲洞」トンネル
海南線の浜の宮~琴の浦には「鵬雲洞」トンネルがあり、1965年の訪問時には撮影が叶わなかった。最後の写真が1971年1月に和歌山を再訪し、赤煉瓦巻きポータルを持つ鵬雲洞トンネルを背景に撮影した作品。二つ目を点灯した700型が海南駅前へ走り去る一コマだ。
この鵬雲洞トンネルは海南線琴の浜延伸時の1911年11月3日に開通した路面電車専用の複線トンネルで、長さは184.47mある。トンネルの前後は専用軌道になっており、横浜市電本牧線の本牧トンネルと類似している。本牧トンネルの長さは215mで、「日本最長の路面電車トンネル」になる。開通したのは同年の11月26日だったから、和歌山の方が僅かに古い。ちなみに「日本最古の路面電車トンネル」は、都電溜池線の喰違見附トンネルで1905年の開通だった。
鵬雲洞トンネルは1971年4月の路線廃止後に「紀三井寺緑道」として整備され、遊歩道として市民に親しまれている。
■撮影:1965年3月22日
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