マリさんは歯に衣着せぬストレートな物言いが特徴で、着ている服がその人に似合っていないと「あなたの良さを引き出していない。早くその服は捨てなさい!」とはっきり言うこともしばしば。でも、マリさんは、それぞれの人に似合った洋服選びが得意で、マリさんが選んでくれた洋服を着ると、皆に「いいね」と褒められるんです。家も近く、その後、マリさんとお茶を飲むような仲になりました。
マリさんは、 私と知り合った半年後に、みーちゃんを飼い始めました。みーちゃんは、埼玉県に暮らすマリさんのご家族が生後1ヵ月の時に保護した“野良の子”。その埼玉のおうちでは飼えなかったので、ご家族が 引き取り手を探していた時に、「こんなにかわいい子なら私が引き取る!」と言って、アメリカまでやって来ることになったのです。
みーちゃんの渡米がまたドラマチックでした。マリさんが「近々日本からNYに来る方で、このかわいい猫を運んでくれる方はいませんか」とFacebookに投稿すると、東京在住の三味線奏者の方が「いいですよ(仕事時に連れていきます)」と名乗り出てくれたのです。しかも、動物を貨物室ではなく座席における飛行機にわざわざ乗り、空港でマリさんに渡したそうです。
振り返れば、さまざまな人がかかわり、みーちゃんを守ってきたんですよね。
もちろん、マリさんはみーちゃんを溺愛し、Facebookもみーちゃんの写真で溢れていました。
2020年2月上旬、ふいにマリさんから「5月に2週間旅行するので、その時はみーちゃんの世話を頼みたい」と連絡がありました。30年来の親友にお願いするはずが、その方が ご病気になったため“信頼できる友人”として、私を指名してくれたそうです。出会ってまだ1年でしたが、猫好きということで信頼し、慕ってくれたのかもしれません。
そういえば以前、マリさんに「私もいつか猫を飼うつもり」と話すと「じゃあいつか互いの猫を連れて公園でデートしましょう」なんて言われたこともあったけな。
◆マリさんの急変とみーちゃんの救出
そんなマリさんが高熱を出したのは、(みーちゃんの預かりの件で)私が連絡 をもらった1か月後、2020年3月のことです。コロナが世界中で猛威を振るい始めていました。マリさんはすごく気を付けていたのに、コロナに感染してしまったのです。