北京五輪スノーボード男子ハーフパイプで日本人初の金メダルを獲得した平野歩夢さんがAERAに登場。スケートボードで出場した東京五輪から北京五輪まで半年間しか準備期間がないことも「面白い」と考えたという。AERA 2022年4月4日号から。
【写真】蜷川実花が撮った!AERA表紙を美しく飾った平野歩夢選手
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撮影用セットが組まれた薄暗いスタジオに足を踏み入れたとき、平野歩夢は少し戸惑った様子だった。
「いつも屋外とか明るい場所で撮るので、雰囲気が全然違って。暗闇の中で何が始まるのかなって」
ストロボが光る一瞬、プロジェクターが背景に絵を映し出す。モニターに映る世界を確認すると、目を輝かせた。
金メダルを手にしてから3週間余り。競技直後は「なかなか実感がわかない」と言っていたが、「今も信じられないような、ふわふわしている感じ」と笑う。15歳での五輪初出場から銀、銀ときて、3大会目でついに獲得した金メダルに、
「やっぱり違いますね。銀メダルのときは悔しさとあと一歩だったという気持ちがすごい強く出ていたんですけど、今回は、本番でそのとき自分ができるマックスの滑りを決められた上思っていた金メダルが取れたので」