アイドルグループ・アイドリング!!!を卒業して7年。バラエティー番組などで活躍中の朝日奈央さんが意識する「話し方」とは。苦手意識を克服できた、「話し方を変える」マイ3カ条を聞いた。AERA 2022年4月11月号より。
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──2021年のテレビ出演回数は365回(1月1日から11月30日まで。エム・データ調べ)とバラエティー番組などで活躍中だ。だが、アイドルグループ「アイドリング!!!」に加入した当初は、話すことが大の苦手だったという。
超マイナスからのスタートでした。今でも忘れられないのは、メンバーとの初顔合わせの日のこと。マネジャーさんやいろんな大人が大勢いる前で自己紹介しなきゃいけなかったんですが、噛み噛みで何を言っているのか自分でもよくわからなかった(笑)。
トークに対する苦手意識は卒業までの8年間ずっと持っていて、(共演していた)番組MCの升野英知さん(バカリズム)やメンバーにいつも助けてもらっていました。面白く話せた時は、みんな笑い転げてくれるんです。みんなの反応を見ながら自分なりに試行錯誤する日々でした。
■「毒舌」になってみた
──その後、21歳でグループを卒業し、いちタレントとして様々なバラエティー番組に出演するように。そこで感じたのは、さみしさだった。
急に仲間を失ったというか……。メンバーは私のことをちゃんとわかったうえでイジってくれていたけど、自分一人の現場ではそうはいかない。関係性ができていない状態では、普通のことをしゃべってもダメだし、だからといって変に目立つことをやるとスベってしまう。
どうしようかと悩んで、毒舌を言うようにしてみました。当時、バラエティーで活躍する女性タレントさん=毒舌がうまいという印象があって。だから自分もそうならなきゃいけないっていう固定観念にとらわれていたんでしょうね。
でも、自分の中でだいぶ無理をしていたんだと思います。その頃、久しぶりに番組で共演した升野さんから「最近、口悪くなった? 無理してない?」と指摘されて。ハッとしました。見抜かれていたんだなって。