そんな沙羅と双樹の態度が、あることを機に、変わったのです。
2匹を迎えて3カ月経った3月、うちでもう一匹猫を迎えることにしました。2匹を保護した団体が別の多頭崩壊現場から救出した11歳のミックス猫、ガルです。
「いい子だけど年だから」とご縁がつながらないでいたので、うちで引き取りました。我が家では猫の数はマックス4匹まで。そう決めたので、ガルで最後だと思いながら。
ガルは“人間大好き”な甘えん坊なおばあちゃん猫で、すぐに私たち夫婦の足にすり寄りました。すると、それを見ていた沙羅がまねして足にスリスリするように! さらに、そんな沙羅を遠くで見ていた双樹が、イスの足でスリスリしはじめたのです。まるで甘える稽古をするように。
ガルは特に教えたつもりはないと思いますが、うれしい連鎖が起きました。
その後、沙羅は、ぱっと抱きあげて、ひざに乗せることができるようになり、双樹はおやつのちゅーるをもらう時に、私たちのひざに手をちょんと乗せてくれるようになりました。
かたくなな猫たちの心がほどけて、家の中にも穏やかな春が訪れたのです。
2歳のバースデー直後、まさかの急病
沙羅と双樹は保護猫のため正式な誕生日はわかりませんが、だいたい6月末くらいとボランティアさんに伺ったので、6月30日に2匹の2歳の「誕生祝い」をしました。数字の「2」のバルーンを用意し、大好きなおやつをあげて。
まだ若いし、これから何度も誕生祝いができるだろうな。この兄弟は私たちとどんどん仲良くなるだろう……。そんなふうに未来を夢見ました。
ところが、お祝いした直後の7月初旬、双樹の体に異変が起きました。
右の白目が結膜炎のように濁ったんです。その時はまだ抱っこまではできなかったので、目の写真を撮って、動物病院にいきました。先生は写真をみて、「猫風邪かな」といって粉薬を出してくれたので、それを飲ませたら、数日で目の濁りがきれいになりました。