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中川課長のロンドン動物園での記憶に基づいて、リンゴ、バナナ、セロリ、白米、ミルク、肉、パンなどを材料にパンダのエサを作って試食も行われました。当時の記録を読むと、必要な情報がほとんどない中、関係された人たちがパンダを受け入れるために一生懸命知恵を絞ったことがうかがえます。本来、パンダが搭乗した飛行機に5日分のエサを載せてくるはずでしたが、植物検疫の関係で、せっかく積み込んだエサのほとんどを上海で降ろしてしまったそうです。
日本に届いたのは飼育指示書1枚、「パンダの生活習性と飼育方法 北京動物園」と題する書類だけでした。中川課長をはじめとする上野動物園のスタッフの落胆ぶりが目に見えるようです。結局、タケ、ササ、牛乳、果実、トウモロコシの粉、大豆の粉、砂糖、骨粉、食塩など日本で集めた材料をもとに、パンダに付き添って来日した北京動物園のスタッフの指導を仰ぎながら、できる限り現地のエサに近づける努力が行われました。
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今や上野動物園のアイドルとなったパンダですが、そこに至るまでには、飼育員たちによる絶え間ない試行錯誤と、諦めない強い思いがあったのです。
※『パンダとわたし』より一部抜粋・再構成
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