中学受験を考えるご家庭では親がどこまでサポートするべきか悩みどころ。子ども4人が東大理IIIに合格したことで有名な佐藤亮子さんと中学受験カウンセラーの安浪京子さんが対談し、中学受験から高校、大学受験まで役立つノウハウをまとめた書籍『親がやるべき受験サポート』から、受験のための親の心構え、やるべきことについて紹介します。今回は佐藤ママからのアドバイスです。
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うちの子たちは、浜学園の先生方に式や図は必ず書くようにいつも言われていたので、書くことは当然だと思っていましたから自然にできるようになっていました。
計算が速いのに文章題がどうも苦手、という子は、文章の内容を「見える形」にすることが苦手なんですね。そもそも文章の内容を読み解いて式や図、線分図にする作業は子どもにとって面倒くさいもの。
しかし、この式や図を書く力こそ算数力をつける肝です。
■手を抜かずに、とにかく書かせる
ポイントは何といっても簡単な文章題のときからきちんと書く習慣をつけることです。簡単な式から書く習慣をつけないと、難しい問題のときに書けなくなります。
子どもは、なるべく手を抜こうとしますから、ある文章問題の式が「2+3=5」という簡単なものだったら、式を書かずに「答え 5人」というように書きがちです。
しかし、このような簡単な問題のときに式を省略せずにきちんと書く、ということをしておくことが、実力を上げるポイントになります。
結局、式を書くことを疎かにする子は算数の実力は伸びません。
算数ものちの数学も、問題を解くときに自分の思考の流れを次々と式にしていかなければなりません。そのときに、いわば国語の作文を書くように、相手に自分の思考過程がわかるように整理して書かなければ点数はもらえません。
だから、易しい問題のときに面倒とは思わずにきちんとした式を書くトレーニングをしておかなければならないのです。