そしてアンドロポフから偽情報による攪乱戦術を学んだのがKGB職員ウラジーミル・プーチンだった。プーチンは、冷戦崩壊後のNATOの東方進出に危機感を持ち、ウクライナはその焦点だった。
次号では、ニューヨークのブルックリンに住むティム・ワイナーとのインタビューで、なぜ今日のウクライナを予言するようなこの本を書けたのか、ジーン・ロバーツという偉大な編集者の40年ちかくにも及ぶ影響も交えながら、考察することにする。
下山 進(しもやま・すすむ)/ ノンフィクション作家・上智大学新聞学科非常勤講師。メディア業界の構造変化や興廃を、綿密な取材をもとに鮮やかに描き、メディアのあるべき姿について発信してきた。主な著書に『2050年のメディア』(文藝春秋)など。
※週刊朝日 2022年8月5日号