(左から)落合博満、古田敦也、高橋由伸
(左から)落合博満、古田敦也、高橋由伸
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 ペナントレースが折り返しの時期を迎え、セ・パは対照的な展開になっている。

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 セリーグは、昨年日本一に輝いたヤクルトが交流戦で全カード勝ち越しを決め、18試合制となった2015年以降では初の完全優勝を達成。14勝4敗と圧倒的な強さをみせた。リーグ戦再開後も広島に同一カード3連勝を飾るなど盤石の強さで首位を独走している。一方、パリーグは春先好調だった楽天の勢いに陰りが見え始め、ソフトバンクが首位を奪回した。ただ、黄金時代を築いた時のような圧倒的な強さはない。前半戦で上昇気流に乗れなかったロッテ西武オリックスにも逆転優勝の可能性は十分にあり、今後も混戦模様だ。

 低迷する球団で話題になるのが、「次期監督問題」だ。阪神・矢野燿大監督が2月の春季キャンプ前日に今季限りでの退任を明言して大きな反響を呼んだのは記憶に新しい。阪神は開幕9連敗を喫して借金が最大16までふくらんだが、6月に入ると快進撃を続けて3位に浮上した。ただ、監督退任が覆る可能性は低いだろう。次期監督として、阪神ファンから待望論が強いのは、元中日監督の落合博満氏だ。中日で04年から11年の8年間全ての年でAクラス入りを果たし、4度のリーグ優勝、1度の日本一を達成。投手力を中心とした「守り勝つ野球」で黄金時代を築いた。

 中日時代に担当記者を務めたスポーツ紙記者は、「中日と阪神は共通点がある。本拠地が広いナゴヤドームと甲子園なので、打ち勝つ野球は現実的ではない。守備を中心にしたチーム作りになります。落合さんが阪神の監督に就任したら、中日時代のように現有戦力で良いチームを構築するでしょう。投手陣は12球団屈指の陣容で、野手も決して個々の能力が低いわけではない。守備力を強化して、1点を取る野球を磨けば優勝争いの常連になる。ただ、阪神が落合さんを招聘するイメージがわきません…」と分析する。

 巨人の前監督を務めた高橋由伸氏も監督復帰を望む声が根強い。16年から巨人の監督に就任したが、在籍3年間は2位、4位、3位。リーグ3連覇を飾った広島の後塵を拝した。ただ、「不動の4番」を務める岡本和真を一本立ちさせるなど功績も少なくない。

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