いろんな箱がつみかさなって押し入れの前をふさいだり、ドアを開けにくくしているんですが、箱の中身を見ると、お取り寄せした食品、年季の入った紙袋、謎の毛糸のモップだったりで……。どれも「大事なものだ」と言われてしまうのですが、大事なものだったらそんなところに放置しないですよね。父も母も「別にやらなくてもいい」といった具合で、孤独でした(笑)。「2人がいいならいいのかな」と思ったりしながら、ひとりで細々と片づけを続けました。



あさとひわ著『ねぼけノート 認知症はじめました』(朝日新聞出版)より
あさとひわ著『ねぼけノート 認知症はじめました』(朝日新聞出版)より

――最終的には、プロのサービスをお願いしたんですね

 そうなんです。父が認知症と診断されてから3カ月ほど経った頃、父の具合が急変し、2カ月近く入院しました。退院後はリハビリのための介護施設に入所できたのですが、退所までに実家の受け入れ態勢を整えることになったんです。足が悪い父のために寝室を1階に作ってそこに介護ベッドを置いて、必要なところには手すりもつけたい。でもその前に、まずは荷物を減らさなくてはならない。母は「荷物はそのままでいいんじゃない?」と言っていましたが、家庭訪問にいらした施設の方が私の意見に賛同してくれて、それで納得してくれました。

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